「庭園付き」物件調査と、役所で見えた事実

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1月9日。 出社して、いつものように不動産サイトを巡回していました。 そこで、ふと気になる物件を見つけました。

【物件の概要】

  • 場所: 八女市(非線引き区域・無指定)
  • 土地: 約200坪
  • 建物: 軽量鉄骨造・築25年(約100坪)
  • 現況: 3世帯アパート
  • 価格: 680万円
  • 利回り: 10%

200坪の土地に、まだ十分使えそうな軽量鉄骨の建物が乗って680万円。「お、安いな」というのが率直な第一印象でした。 情報が少なかったので、すぐに業者へ問い合わせました。

話を聞くと、所有者だった方が亡くなり、遠方の養子の方が相続したものの管理しきれず、法人契約を解除して空室の状態で売りに出したとのこと。それでこの価格設定になっているようです。 まだ買付は入っていないとのことだったので、すぐに現地へ向かいました。

現地での外観チェック

場所は八女の田舎のエリアです。 到着してまずは外観を確認しました。 建物自体は、外壁のコーキングがひび割れていたり、壁を触ると白い粉がつくチョーキング現象が起きていたりと、長年メンテナンスされていない様子が見て取れました。

次にインフラ周りを確認しました。 前面道路には上水は来ているようでしたが、敷地内をよく観察してみることにしました。

まず、敷地の中に浄化槽のふたらしきものが見えました。 さらに、隣に川が走っているのですが、そこに向かって敷地からパイプが突き出していました。

敷地内には雨水マスもあったので、おそらく雨水などはそちらで処理しつつ、汚水は浄化槽を通した上で、その突き出したパイプから川の方へ排出しているんだろうな、と推測できました。

また、敷地の中を見ると浄化槽らしきマンホールが3つありました。 「2世帯と聞いていたけど、これを見ると3世帯分あるな」と、外観の設備からあたりをつけました。

あと気になったのは、隣地との関係です。 隣に病院があり、その敷地(300〜400坪)が立派な庭園のように整備されていました。 今回売りに出ているアパートも元は同じ所有者のものだったためか、アパート側の敷地にも隣の庭園から続くような形で大きな岩や樹木が所々にあり、一体感があります。

ただ、これを購入して賃貸経営をするとなると、この「庭園っぽい造り」がネックになります。管理するにしても剪定費用費用がかかるし、駐車場用地として整地するには、岩を撤去したり、根の張った木を抜根(ばっこん)したりと、維持や撤去にコストがかかりそうだなと感じました。

役所での「答え合わせ」

外観からある程度の推測はつきましたが、確証を得るためにその足で八女市役所の上下水道課へ向かいました。 配管図面を見ながら職員の方にヒアリングを行い、現地で見たことの「答え合わせ」を行いました。

  1. 世帯数の確認 メーターの口径などから、やはり2LDKと3LDKが混在する「3世帯」の建物であることが確定しました。現地でマンホールが3つあったことと合致します。
  2. 下水道の計画について やはり敷地内には下水は引き込まれておらず、浄化槽でした。 さらに、今後下水道が整備される予定があるか確認したところ、担当の方からハッキリとこう言われました。

「ここは今後も下水道整備の予定がない地域です」

専門的な言い方をすれば、下水道全体計画区域外ということで、行政として将来にわたってここに下水道を通す計画はなく、今後もずっと浄化槽(個別処理)でいく地域だということが確定しました。

今回の結論

役所での調査を終え、冷静に考えました。 価格は安いですが、以下の点が引っかかります。

  • 敷地内の岩や樹木の選定維持費や撤去・整地費用
  • 今後もずっと続く3世帯分の浄化槽メンテナンス費用(下水が来ないため)
  • 外壁のチョーキングや屋根などの修繕費
  • 近隣の貸し出し家賃の安さ
  • 将来、隣の庭園部分が売りに出たとしても、解体や整地コストを考えると美味しくない

これらを踏まえると、トータルでのコストや手間が見合いません。今回は**「購入しない」**という判断に至りました。

やはり現地に行き、自分の目で見て、役所で裏付けを取ることで見えてくることがあります。往復の時間と高速代はかかりましたが、良い勉強になりました。

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